良くある質問(小児ぜんそく)

2歳の子供ですが、日々咳をしています。かかる医者によって、ぜんそくだと言われたり、違うと言われたりで困っています。
乳幼児のぜんそく発症の判断は誰が診ても難しいものです。基本的には、息を吐くときにゼーゼーという音が出るような発作を反復・継続する場合には、広い意味で気管支ぜんそくと考えて対応します。ぜんそくでは、横になると苦しがるとか、毎日朝方を中心に咳がでるなどの所見が見られます。どういうときに咳が出るか、呼吸困難を伴うかなど、様々な状況証拠を聞きます。もうひとつ大切なのは、気管支拡張薬に対する反応性です。外来で気管支を広げる薬の吸入をしてピタッと止まるような咳やゼーゼーであれば、ぜんそくの可能性はかなり高いと思います。ぜんそくの治療をしても咳が止まらずに続くようであれば、ウイルス性の気管支炎など他の疾患の可能性を考えます。
気管支が弱いと言われて、飲み薬と吸入ステロイド薬を使っています。薬をずっと使い続けていいのでしょうか。
一般的に“気管支が弱い”という中には、気管支が過敏であり、ぜんそくを指摘していることがあります。この場合、ぜんそくの予防薬を飲み始めれば調子がよくなります。発作のないよい状態が3ヵ月も6ヵ月も続いてきますと、保護者やお子さんは「もうこの薬はいらないのでは」と思い始めます。ときに1、2回飲み忘れてしまっても、調子が悪くならないと「やはりもう薬はいらない」と確信してしまい、薬を飲まなくなってしまいます。
ところが、しばらくすると必ずまたぜんそく発作に見舞われます。すごろくでいえば、「振り出しに戻る」ので、これを繰り返していると、いつまでたっても「あがり」にならず、結局成人まで持ち越してしまいます。 専門医は一定の基準を持ってお薬を処方しているので、親御さんは勝手に止めたり量を変えたりしないでください。私たちの目標は「ぜんそくを治す」ことで、それを目指して治療していきます。その目標のために適切な治療を専門医にうけていただくのがよいと思います。
体育の授業中にぜんそく発作がおきやすいのですが、どう対処すればいいのですか。
体育の授業中にぜんそく発作が起こるのは、運動誘発ぜんそくが起こっているからで、そのお子さんの気道過敏性がコントロールされていない可能性があります。まずは吸入ステロイドを使用して、運動誘発ぜんそくが起こらないようにきちんと治療を行うことです。気管支拡張薬を運動の前に吸入しておくのもいいでしょう。発作止めを使っていれば、学校での運動も制限なくできると思います。ただし、それにはふだんの治療をきちんと受けているのが前提です。ふだんは治療をサボっていて、体育の前だけ気管支拡張薬をシュッとやる、というのはもってのほかです。運動で体を鍛えることは大切ですが、運動の苦手な人は、声楽や管楽器などもよいでしょう。これらは呼吸筋を鍛えます。演劇で大声を出したり、腹式呼吸をしたりするのもいいですね。
小児ぜんそくは成長とともに良くなることがあると聞きましたが?
はい。これをアウトグロー(outgrow)といいます。小児ぜんそくの子どもの約6割は、きちっと治療すれば、最終的には無治療でも症状が出ない寛解・治癒状態になることがわかっています。したがって小児ぜんそく治療の目標は、寛解・治癒を目指すことです。この目標には次の7項目が示されています。①気管拡張薬の使用が減少、②昼夜を通じて症状がない、③学校を欠席しない、④スポーツを含め日常生活を普通に行うことができる、⑤ピークフローが安定している、⑥肺機能がほぼ正常、⑦気道過敏性が改善(運動や冷気などの吸入による症状誘発なし)。そのためには、日常のコントロールをしっかりしなければなりません。とにかく発作を起こさせないように予防し、肺機能を正常化させ、気道過敏性も正常化させることです。
ある調査では、子供のときに何となく発作が出ていないので寛解したと勘違いして、運動での発作があるにもかかわらず、勝手に治療を止めてしまった人たちが、成人になってぜんそくを再発する傾向があることが明らかになりました。早めに専門医の治療を受け、正しい薬物治療、環境整備およびぜんそくに対する正しい知識の習得と実践の全部をきちっとすることが、成人ぜんそくへ持ち越さないための一番の近道だと考えます。
3歳を過ぎたころからそれまでのアトピーに加えぜんそくも発症しました。発作がおきたとき、ガイドラインにのっとった治療をしていただける地元の病院をさがすには、どうしたらいいですか。
まずは、近所の母親の口コミで、開業している小児科医を探します。その上でぜんそくの状態を示すぜんそく日記を持参して、子供の状態を詳しく先生に相談すれば、緊急時のあなたの地元の医療機関を紹介してもらえると思います。ガイドライン通りの治療かどうかを尋ねると、気分を害してしまう先生もいるので、自分のお子さんの発作状況と治療薬を照らし合わせてみるとよいです。
10歳男児です。3歳頃からぜんそくでキプレスを飲み、フルタイド100μgを2回吸入して発作は出ません。薬を減らせますか。
薬の減量に関しては、ぜんそくの状態をきちんと判断する必要があります。良くなっていくには3つの段階があり、一つは症状が全く出なくなっている状態です。二つ目は肺機能です。10歳くらいなら肺機能検査ができますので、しっかり検査をしたほうがよいです。三つ目は気道の過敏性です。三つの要素が完全に良くなって、本当に良くなったといえるわけです。きちんと薬を使い、細かな発作まで含めて症状が出ないのなら、薬を減らしていけるのではと思います。大きなお子さんなら、まずキプレスをやめて、次にフルタイドを100μgから50μgにします。症状がないなら3ヵ月くらいで見直していってよいのではと思います。
ぜんそく発作のときは早めに学校を休ませたほうがいいでしょうか。
ぜんそく発作は呼吸困難が改善すれば日常生活はできますので、自宅で発作止めを使用し、ぜんそく発作の改善がみられれば、学校は休む必要はありません。ガイドラインの目標にも学校を欠席しないということが書いてあります。ぜんそくで学校を休まなくてもいいようにコントロールしなくてはいけません。休まなければいけないようでは、コントロールができていないのです。
 学校でぜんそく発作がでた場合にそなえて、自宅ではどう対処しているかを伝えておく必要があります。発作時に使用する気管支拡張薬を養護の先生と相談して学校に預かってもらうのも一つの方法です。アレルギー疾患を持つ児童の健康管理のために、学校のアレルギー疾患管理指導マニュアルというのが2009年にできて、各学校には配られています。保育園に対するガイドラインも2011年3月にできています。社会的に子供さんを預かる側もアレルギーに関しての取り組みが出始めています。子供の健康状態を伝えて、園や学校でどこまで対処してもらえるかを話し合っておかなければなりません。
ダニ対策でダニを通さないシーツを使っています。掃除機で汚い空気を舞い上げないように水拭きしていますが、空気中に舞っているものをきれいにするのはどんな方法が一番有効でしょうか。
一番確実なのは換気です。30分でも自然の風を通すのが一番の換気になるそうです。あとはやはり空気清浄機ではないでしょうか。今の空気清浄機はほとんど、ヘパフィルターというとても目が細かいものが使われています。ウイルスレベルまで除去できるといわれています。